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制作の記録と日記

#00085 写真ギャラリー

山梨県西桂町に移住して2年。西桂町に写真を中心とした現代アートギャラリーを作っている。今は天井と壁面、床、スポットライトレール設置など最低限の設備工事が始まったところで、今後1年をかけてカフェカンターやブックスペースなどを作っていく。お金を貯めたり助成金を応募しながらなのでリノベーションのスピードはかなりゆっくりだけど、着実に進んでいる。

 

ギャラリーの名前は「スプリングギャラリー」。西桂町が湧き水(スプリングウォーター)が豊富に出ることからつけた。芸術に縁がない地域に突如現れた(湧き出た)アートギャラリーという意味も含まれている。写真表現を山梨から盛り上げていきたい。

 

都内の写真ギャラリーも新しい動きがこの5.6年で増えてきたと思う。Alt_Medium、IMA Gallery、Kanzan Gallery、RPSなど写真家たちで運営しているものから企業や団体が運営しているものまで様々で、写真ギャラリーのメッカである新宿四ツ谷や六本木とは違う場所にオープンしているのも特徴だ。レベルの高い現代写真がコマーシャルギャラリー以外で見れるようになるのは面白い。写真ギャラリーブームと言えるか分からないけど、今後もこの動きは増えていくと思う。香港で見たコマーシャルギャラリーPERROTINが六本木にもオープンしたのも気になるところ。

 

インディペンデントギャラリーの役割を考えている。意識的でレベルの高い20代〜40代の若手写真家は多くいるが、その中から現代アートの世界で渡り合える作家を探していくしかない。今年は展示を見る機会を出来るだけ増やしていく。

 

 

 

#00084 リサーチにかける時間

 この2ヶ月は次の撮影のリサーチ。机でパソコンに向かう日々が続いている。どうにかこうにか前に進んでいる気になっているが、撮影とリサーチの比率が0:100の状態はあまり落ち着くものではない。

 

撮影地は南太平洋のジャングル。野営のための準備は少しずつ整っている。あとはカメラ。シノゴ ポートラ400かNIKON D850か。描写力に関して差はあまり感じられない。ジャングルは暗く歩きにくいので機動性も必要だ。となるとD850か。フィルムの場合は飛行機を何度も乗り継ぐのでX線の心配も加わってくる。X線のかぶりが作品としての付加価値になることも考えるが、その手法は特に新しいものではない。

 

写真を知れば知るほど、新作を考える時に過去の写真家の作品が頭をよぎる。それでも出来る限り新しいと思えるものを作りたい。多くの組み合わせの中から、作品にとって最善の方法を。

 

 

 

 

#00083 レシートで時代を表現する

Christian Langeクリスチャン・ランゲのアートブック「LANGE LISTE(ランゲリスト)」を購入。この本は1979年から1997年までのランゲ家の記録で構成されている。期間は西ドイツと東ドイツに分かれていた時代から、ドイツ統一とその後で、メインの記録素材はレシート。クリスチャンの母親が家計簿をつけるときに保存しておいたレシートを丁寧にリスト化し、家族写真や当時の広告などと組み合わせて構成していて非常に良く編集されている。

5年くらい前に印刷博物館でやっていたワールドブックデザイン展で初めてこの本を見て、とにかく丁寧な仕事だという印象だった。ずっと欲しいと思っていたものをようやくネットで購入。ドイツのレシートなので当然ドイツ語で表記しているので一つ一つ翻訳しないと何を買ったのか分からないが、急に高額なものが書いてあったりひと桁のものだったり、まずは想像して楽しんでいる。その後はちょっとずつ調べていこうと思っているが、ドイツ語の勉強にはピッタリかもしれない。

広告など集めた資料によって当時の旧東ドイツの文化を知ることができて、レシートで家庭の生活が垣間見れて、家族写真でランゲ家の変化やドイツの環境が視覚的に分かり、クリスチャンの誕生から青年期までの成長も追いながら、優れた編集とデザインを楽しむ。素朴な構成ではあるが、素晴らしい。

多くの要素を一つにまとめ上げる力が自分にも必要だ。デザインと編集力をこの半年で上げていく。