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制作の記録と日記

#00102 最終工事

ギャラリーの最終工事が始まった。カウンターと厨房設備の設置。自分でやる事は大型本棚の設置と本のレイアウト、本の値札付け、あと看板作りと取り付けなどなど、やること多し。ギャラリーを倉庫代わりにしていたので荷物も片付けなければ。

 

ギャラリーの開業といっても実際はカフェバー運営と古書店運営で展示費用を稼ぎ、その資金をアーティストに還元していくというものなので開業準備は簡単ではなかった。

 

写真をメインで展示するインディペンデントギャラリーは作品販売の他にアーティストのワークショップなどの収益によって運営していることが多く、自分のギャラリーのように飲食スペースを併設している場合もある。アーティストのお金に依存していないところがレンタルギャラリーとの大きな違いで、そこが重要だと思っているので魅力的なカフェメニューやドリンクの収益が無いと継続的に展示ができない。

 

ランチタイムはスパイスカレーと煮込みハンバーグの2品に絞ってレシピ作り。この3ヶ月間は東京のカレーとハンバーグを食べ歩き試作を続け、ようやくお店で出せるレベルに仕上がってきた。3年間コックをしていた経験がここにきて生きるなんて。

 

#00101 ギャラリーと古本屋の申請

ギャラリーでは作品の販売の他に中古本も含め写真集の販売も行うので「古物商営業許可」を取得しないといけない。美術品も骨董品やクラシックカメラなどと同じ扱いだと初めて知った。先日は申請書の提出をし警察の内見も終わった。あとは受理されるのを待つのみだ。自分が持っている本だけではすぐに販売するものがなくなるのは目に見えているので、受理されるまでの約2ヶ月間で販売するアートブックを充実させていく。

 

書類作成ばかりの日々で悶々とした状態が続いている。資金が無いからスムーズに運ばないだけでやろうとしていることは明快だ。自分の作品作りは予算の中で出来ることを、というスタンスで問題ないけれどギャラリーをオープンとなるとそうもいかない。セキュリティにかかる費用もある。DIY感満載のギャラリーではアートを鑑賞するには集中できないことは今までたくさんのアートスペースを視察する中で感じていることなので、それだけは避けなくてはいけない。

 

シンプルで温かみのある空間を作る。

#00100 ジャングルをセレクトする

ジャングル写真のテストスキャンとスティッチングが終わりセレクト作業に入った。スキャンはフラッドベッドで簡易的に行い、セレクトされたカットだけハッセルのスキャナで本スキャンを行う流れ。

シュトルートを筆頭に森やジャングルを撮影している写真家は多く、戦場跡をテーマにしている作家も多い。戦場跡のジャングルはいるだろうかと図書館やネットで調べても出てこない。取り掛かるテーマ、モチーフにはほぼ必ず先人がいて発表後は彼らの作品を参照されることになる。今の時代まで誰も撮った事がないテーマやモチーフはあるのだろうか。

ロジャー・フェントンが撮影した戦場跡写真を見て以来、静かな風景写真を見て心がざわざわする感覚に惹かれていった。フェントンとはタイプや動機は違うが、日本人だと江成常夫や米田知子などもいて、戦争跡の風景という括りでも戦争の気配が色濃く残る状態から、もはや気配も痕跡もない状態まで様々だ。

先日は実家に戻り、祖父の若い頃の写真や戦時中の写真、戦友会で撮っている集合写真などを引き取ってきた。祖父は写真を撮るのが好きで、戦友会の大量の写真も丁寧にアルバムに整理していたので助かった。

祖父の残した写真、戦時中に南の島で起きた出来事、自分が撮ってきた南の島の風景。これをどのように編集していくのかがこのジャンルの写真表現の肝になってくる。どこに焦点を当て積み重ねていくか。選択肢は山ほどある。

 

新聞に写真を転写するシリーズはセレクトを終えプリント作業に入った。今週までに終わらせなければ。

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