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制作の記録と日記

#00112 新しい展開

3月から5月まで環境の変化が強烈で、それになかなか順応できず落ち着かない日々だった。ギャラリーも閉めるしかなく、テイクアウトやデリバリーに切り替えながら新規ビジネスの準備を進めていた。ギャラリーの展示を目的に来るお客さんは東京からの方が多いので、東京の状況が大きく良くならない限りは展示の企画が難しい。今後はアポイント制にしていくことになると思う。

 

家にいて時間がたくさんあったので、2年前からやろうやろうと思いながら制作が止まっていた作品を再開。この2ヶ月間とにかくアートエマルジョンと格闘しながらようやく使いこなせるようになった。プリントの成功率は30%くらいに上がったところでアートエマルジョンを使い切って制作終了。

#00111 何もかもストップ

コロナウイルスの影響で3月に予定していたドイツ・ベルギー(アートと食文化)視察はキャンセルした。格安航空券を買ったのでキャンセル料金が勿体なかったけど、この事態では仕方がない。

出版事業に向けて大判プリンターのテスト印刷を始める。先日は神保町の竹尾でテスト用の紙を数種類購入。インクジェット対応で両面印刷のものは限られているので、インクジェット対応でなくても色乗りの良い紙を探した。複雑なレイアウトは難しいが、アートエマルジョンも選択肢に入るだろう。インクジェットの少部数写真集を取り揃えアジアのアートブックフェアに出展していく計画。

 

#00110 ドイツとベルギー

写真ギャラリーを運営していると当然ながら写真家がギャラリーに来てくれる。ギャラリーにはカフェスペースがあるから、お茶を飲みながらゆっくり話をすることができる。写真家と話をしていると、以前は毎年のように個展やコンペに出てキャリアを作ろうとしていたが今はその活力を失いかけている、という人も少なくない。作品を預けていたコマーシャルギャラリーが解散して発表の場を失ったり、就職、結婚と子育て、親の介護など、人生の中で写真家活動を控えたり辞めざるをえないタイミングがあるのかもしれない。けれどギャラリーに来た人には「辞めないでください」と無責任に言っている。写真家のキャリアを形成するには長い長い活動が求められ、その活動を続けられる資質こそが写真家だと思っているから。

『良い写真』を撮る人なんて山ほどいる。作品をまとめるスキル、センスは高いレベルの表現者になればなるほど拮抗している。短期的なキャリアを見ると、作品の優劣を競うことが重要視されている(もちろんそれも大事なんだけど)が、緊張感を保ち続け写真を撮り続けることが何よりも重要なわけで。だから写真家は長生きしなくてはいけない、と笑い話のように言うんだけど、かなりシリアスな話だと思う。

レベルの高い作品を長期間にわたり作り続けられるかどうか。写真に飽きないことが肝要だ。

 

 

3月はベルギーと、ドイツはミュンヘン へ視察。ギャラリーと古本屋とビール工房とバー巡り。アートと食文化をどのように組み合わせ、機能させているのかを具体的に見て回ろうと思っている。