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制作の記録と日記

#00079 環境の変化

写真ギャラリーの予算が確定し、いよいよ本格的な準備に入る。予算が分からないうちはどれだけ内装を考えても無意味に感じる。予算があって初めて材質やグレードを決定できる。ようやく慌ただしい日々が始まる。

 

ファッションフォトグラファー、ビル・カニングハムのドキュメント映画を見る。シンプルで質素な生活。自分の美意識に素直に反応し、それ以外のものには目もくれない姿が印象に残った。自分もずっとそうありたいと思う。最近は涙もろくなっているせいで何でも簡単に泣いてしまう。映画を見ながら写真家にアトリエは必要か考えていた。ビルのようなスタイルなら必要ない。フィルムはラボに出し、写真は雑誌上で発表される。ネガの保管室で寝泊まりしているような状態だったが、そこさえきちんと纏めておけば十分そうだった。

 

35歳になり、写真家の生き方をつい考えてしまう。写真家とは職業ではなく生き方だ、という言葉はいつどこで読んだか忘れてしまったが妙に納得したのを憶えている。写真家になりたいと思いながら10年が経ってしまった。緊張感を保ちながら撮り続け、発表し続けること。写真とは何かを考え、古今東西の写真表現を学ぶこと。当たり前に続けていかなくてはいけないし、そこから先はまだ分からない。35歳がターニングポイントになりそうだ。