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制作の記録と日記

#00100 ジャングルをセレクトする

ジャングル写真のテストスキャンとスティッチングが終わりセレクト作業に入った。スキャンはフラッドベッドで簡易的に行い、セレクトされたカットだけハッセルのスキャナで本スキャンを行う流れ。

シュトルートを筆頭に森やジャングルを撮影している写真家は多く、戦場跡をテーマにしている作家も多い。戦場跡のジャングルはいるだろうかと図書館やネットで調べても出てこない。取り掛かるテーマ、モチーフにはほぼ必ず先人がいて発表後は彼らの作品を参照されることになる。今の時代まで誰も撮った事がないテーマやモチーフはあるのだろうか。

ロジャー・フェントンが撮影した戦場跡写真を見て以来、静かな風景写真を見て心がざわざわする感覚に惹かれていった。フェントンとはタイプや動機は違うが、日本人だと江成常夫や米田知子などもいて、戦争跡の風景という括りでも戦争の気配が色濃く残る状態から、もはや気配も痕跡もない状態まで様々だ。

先日は実家に戻り、祖父の若い頃の写真や戦時中の写真、戦友会で撮っている集合写真などを引き取ってきた。祖父は写真を撮るのが好きで、戦友会の大量の写真も丁寧にアルバムに整理していたので助かった。

祖父の残した写真、戦時中に南の島で起きた出来事、自分が撮ってきた南の島の風景。これをどのように編集していくのかがこのジャンルの写真表現の肝になってくる。どこに焦点を当て積み重ねていくか。選択肢は山ほどある。

 

新聞に写真を転写するシリーズはセレクトを終えプリント作業に入った。今週までに終わらせなければ。

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