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制作の記録と日記

#00107 写真祭と自主ギャラリーの役割

先日は六甲山国際写真祭のワークショップに参加してきた。自分の作品のブラッシュアップという目的の他にも、写真祭の運営の仕方を学んだり関西の写真文化を知ることが目的にあり、いくつかのギャラリーに伺い運営方法や企画の進め方など話を聞いてきた。

 

写真文化を今よりもっと充実させ、これからの写真界を支える若い写真表現者を支援する。自分が考える写真祭のあり方だ。六甲山国際写真祭にはその重要な部分に多くのヒントがあったように思う。何よりも写真祭の公募展示に参加している作家(自分も応募したが落選....)は知名度やキャリアに関係なく、国際写真祭の名の通り国外から送られて来た写真家の作品が半数以上あった。

写真祭に関わらず、アートフェスティバルとして成立させるためには知名度があり集客力のある作家の数を増やし、その「引き」に集まる若手表現者に向けたポートフォリオレビューやレクチャーを開き利益を確保するのが普通の運営だと考えていたが、少なくとも今年の六甲山写真祭はそうではなかった。この運営方法はコストのかかるものだと思う。「若手写真家にチャンスを与える」ことは写真際にとって重要ではあるが、作品のブラッシュアップに重点を置くのか、それとも出版や展示の機会を提供するのかでも方向性が大きく変わってくる。若手にとってはそのどちらも必要なわけで、ポートフォリオレビュー前に数日間ワークショップを開催しブラッシュアップをサポートし、その後ギャラリストやキュレーターによるレビューを行い出版のチャンスを提供するのがベターだと感じたが、そんな至れり尽くせりのイベントのコストを考えると恐ろしい。町おこし系の助成金に頼るのはあまり良いことではないが、全国のアートフェスが自治体の予算や助成金に支えられている現実は無視できないことだと思う。

 

山梨県の写真表現者がどれだけいるのかを今後調査する必要がある。でも4年過ごしても厳密な意味で写真表現をやっている人にはまだ出会っていない。