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制作の記録と日記

#00114 ローカルビジネス

自分の夢はたくさんあるが、その中の一つは『写真家を支援するギャラリーと出版社を作り、発表の場を提供する』こと。個人的な夢は勝手に進めていけばいいが、作家を支援する活動は金銭的にも物理的にも様々な意味で覚悟が必要だ。昨年オープンしたスプリングギャラリーの活動はまさにその夢の足がかりとなり、より大きな目標に向かっていくはずだった。しかし今はその活動を一旦ストップさせている。新型コロナウイルスの影響は今後どうなっていくか分からないけれど、この状態が続くなら現状のビジネスモデルではギャラリーが成り立っていかないのは明確で、傷が深くない早い段階で一度仕切り直そうと思ったわけだ。しかしオンラインギャラリーなど発表方法を変えるわけではなく、ギャラリーを運営するための利益作りの方法を根本的に変えていこうとしている。

 

新型コロナが拡散される前のビジネスモデルは

1:ギャラリー内のカフェスペースでスパイスカレーやクラフトビール等の飲食提供。

2:B0ノビまで出力できるプリンターを設置し、プリントとレタッチサービスを提供。

3:ギャラリー内のブックスペースを併設し、写真集・アートブックの販売。

4:ギャラリーで定期的に企画展を開催し、プリントを販売。

 

このビジネスモデルは企画展が開催され続け、その展示を目当てに訪れる顧客に向けたサービスと、写真家の作家活動(展示と出版)により成り立つものだったし、少なくとも2019年は成り立っていた。しかし展示が開催できなければ、集客活動ができなければ全く成立しない、か弱いものだったと思う。

 

そして今は新しいビジネスへ転換するべく準備を進めている。そのビジネスは『クラフトビールの製造と販売』だ。製造されたビールはスーパーや酒屋、飲食店に卸され、対面による感染リスクを下げることができる。そして製造量を増やしオンラインによる販売も可能になることでさらなる事業展開が見込める。昨年12月から少しづつ調べ始めていたので、コロナ禍による咄嗟のアイデアではなく、今後のビジネスの柱の一つとして漠然と考えていた。それを主軸にしようとするのだから自分でも驚いている。

 

現在日本にあるクラフトビールのブルワリーは約400社と言われているが、今後はさらに増えていくだろう。1つの町に1つのブルワリーがある時代が来るのは遠い未来ではなく、ブルワリーは花屋やケーキ屋のような存在になっていくと考えられている。生活を少し華やかにさせてくれる存在だ。競争は厳しくなっていくだろうがその競争により品質の向上が期待できるし、ブルワリー同士の繋がりは面白いビール作りのアイデアを出すきっかけになるはずだ。

6月からブルワリーの見学を始め、今はその中の一つのブルワリーで研修させてもらっている。ギャラリーを改修し醸造設備を設置し製造許可が取れれば、来年の春から本格的にスタートする予定だ。というのも冬の間はビールの消費量が極端に落ち、ブルワリーには厳しい季節だからだ。

 

ギャラリーの再開はいつにしよう。写真展の企画案はたくさんあるものの、いつから始めたらいいのか分からない。作家さんにも声がかけられずにいる。精神的な抵抗感が拭い去れないままだ。無神経に(あくまで感染対策を徹底する前提で)始めちゃえばいいだろうと思いつつも、感染者情報を日々確認している状態だ。