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制作の記録と日記

#00124 TIME SERIES

時間経過をテーマにした作品「TIME SERIES」をウェブサイトにアップした。

 

https://satoshiterada.com

 

子供の成長を時系列に並べることで時間が経っていることが分かる。撮影した日の新聞に転写することで「その日」を明確にする。時間を「固まり」にして可視化しようという試み。

 

時間経過を表す方法を考えた時、定点撮影が一番すぐに思い浮かぶ。インターバル撮影、タイムラプスもその発展形だ。建設現場や植物の成長、昆虫のふ化などの撮影が効果的で、ネットにアップされているものも多い。写真表現の分野だと土田ヒロミのセルフポートレートが有名で、30年以上撮影を継続している。ニコラス・ニクソンの「ブラウンシスターズ」も長い年月をかけて4姉妹の定点撮影的なポートレート作品を残している。

家族写真というジャンルを考えた時、それは家族の分だけ無数のイメージがあり、また多くの写真家が撮影し作品として発表している。家族をモチーフにした作品を作っている作家は上田義彦深瀬昌久荒木経惟植田正治島尾伸三、浅田政志などなど、きりがないほど大勢いる。海外であればティナ・バーニーやリー・フリードランダー、テリー・リチャードソン、前出のニコラス・ニクソンなどがいるが、海外の写真家は作品のモチーフとして自身の家族を選ぶことが少ないのか、作品があまり思い浮かばない。

新聞を使ったアーティストで思いつくのはまず河原温。アダム・ブルーム&オリバー・チャナティン、三島喜美代、吉村芳生など。

 

手法やモチーフなど単体で考えた時、参照される作品が存在するのはこの時代では避けられない。ネットで検索すれば山ほど似たような作品がヒットしてしまう。現代アートとしての写真表現をやろうと思った時、過去の膨大な作品との類似点や差異を意識し続けて制作しないといけない。そこが重要で大変な部分だ。