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制作の記録と日記

#00101 ギャラリーと古本屋の申請

ギャラリーでは作品の販売の他に中古本も含め写真集の販売も行うので「古物商営業許可」を取得しないといけない。美術品も骨董品やクラシックカメラなどと同じ扱いだと初めて知った。先日は申請書の提出をし警察の内見も終わった。あとは受理されるのを待つのみだ。自分が持っている本だけではすぐに販売するものがなくなるのは目に見えているので、受理されるまでの約2ヶ月間で販売するアートブックを充実させていく。

 

書類作成ばかりの日々で悶々とした状態が続いている。資金が無いからスムーズに運ばないだけでやろうとしていることは明快だ。自分の作品作りは予算の中で出来ることを、というスタンスで問題ないけれどギャラリーをオープンとなるとそうもいかない。セキュリティにかかる費用もある。DIY感満載のギャラリーではアートを鑑賞するには集中できないことは今までたくさんのアートスペースを視察する中で感じていることなので、それだけは避けなくてはいけない。

 

シンプルで温かみのある空間を作る。

#00100 ジャングルをセレクトする

ジャングル写真のテストスキャンとスティッチングが終わりセレクト作業に入った。スキャンはフラッドベッドで簡易的に行い、セレクトされたカットだけハッセルのスキャナで本スキャンを行う流れ。

シュトルートを筆頭に森やジャングルを撮影している写真家は多く、戦場跡をテーマにしている作家も多い。戦場跡のジャングルはいるだろうかと図書館やネットで調べても出てこない。取り掛かるテーマ、モチーフにはほぼ必ず先人がいて発表後は彼らの作品を参照されることになる。今の時代まで誰も撮った事がないテーマやモチーフはあるのだろうか。

ロジャー・フェントンが撮影した戦場跡写真を見て以来、静かな風景写真を見て心がざわざわする感覚に惹かれていった。フェントンとはタイプや動機は違うが、日本人だと江成常夫や米田知子などもいて、戦争跡の風景という括りでも戦争の気配が色濃く残る状態から、もはや気配も痕跡もない状態まで様々だ。

先日は実家に戻り、祖父の若い頃の写真や戦時中の写真、戦友会で撮っている集合写真などを引き取ってきた。祖父は写真を撮るのが好きで、戦友会の大量の写真も丁寧にアルバムに整理していたので助かった。

祖父の残した写真、戦時中に南の島で起きた出来事、自分が撮ってきた南の島の風景。これをどのように編集していくのかがこのジャンルの写真表現の肝になってくる。どこに焦点を当て積み重ねていくか。選択肢は山ほどある。

 

新聞に写真を転写するシリーズはセレクトを終えプリント作業に入った。今週までに終わらせなければ。

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#00099 展示の計画

妻の妊娠から出産、子供との生活を撮影し新聞紙に転写するシリーズは安定期に入り、後は積み重ねていくのみというところまで形になってきた。1_WALL展以外ではまだ発表していないし、子供も生まれて1年以上経つのでここらで一回まとめて見ようと思い始めている。写真の選定と新聞紙の組み合わせを行い、製版してコツコツ刷っていく。写真集を作るには作品を高精細でスキャンする必要があるし新聞紙用の紙に印刷する方法を見つけなければならなかったが、ツテを頼ってどうにかベストの方法を知ることができた。

ニコラス・ニクソンの「The Brown Sisters」やフリードランダーの「Maria」など、自分近い存在の被写体を撮り続けることで立ち上がってくるもの。愛しさと、残り時間の予感。自分の場合にはそこに新聞というメディアの寿命も加わってくる。どれが先に終わるのか、考えたくはないけど意識してしまう。

11月後半から12月いっぱいはスクリーンプリント作業に追われそうだ。

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