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制作の記録と日記

#00018 手法とコピー

春も過ぎて学生と話す機会がより多くなり、色々なことを感じる。それぞれが表現方法やテーマを探して日々制作していて、それを獲得することに飢えている感じがする。制作について話していてると、彼らに自分の制作の流れを見せてあげたい気持ちが湧いてくることがある。特に今撮り始めたばかりのモチーフをどのように撮っていくのか、アイデアの素をどのように膨らませていくのかを。しかし本来作品のアイデアや手法は作家それぞれが築きあげてきたもので、それをそのまま見せる事が正しい事なのか確証がない。安易に手を差し伸べてしまうことは危険な気がするし、大げさに言えばそれは自分のコピーを作る事になるんじゃないかという不安。

テーマや手法は自分で見つけて自分で発展させていくしかない。美術教育に携わる人間はその制作の流れをささやかに誘導し、ある種の補助輪のような存在でいるべきだとも思うけど、昔自分も先生の撮影している姿を沢山見させてもらって、作品を作るってこういう事なのか、と学ぶことが多かった事も影響しているのかも知れない。とにかく今は全部見せたい気持ちをグッとこらえて、制作の一部分だけを見せるにとどめている。

 

最近は草や野花をモチーフにしているので、ずっと興味があった生花を始めてみようかと思っている。ネットで教室を検索しても、何々流とか沢山あって良く分からないので、まずは本を買って自分でやってみることにした。モチーフもテーマも固まってきたのは良い事と捉えているが、もう一方ではまったく違うアプローチも必要だと思う。それを見つけるのはまだまだ時間がかかりそうだ。

 

学生のことばかり考えている場合なのか?と自分にツッコミを入れながら、少しずつ作品を進めている。